不動産開発会社のトロピカーナコーポレーションは、マレーシアのペタリンジャヤにある新しいオフィスのデザインを、建築・インテリアデザイン会社のスティーブン・リーチ・グループに依頼した。
コタダマンサラの道路が交錯する場所に、19階建てのビルが建っています。両側には住宅や商業施設、そして緑豊かなゴルフ場が広がるこの街で、ひときわ異彩を放っています。トロピカーナ・ガーデンズ・オフィスタワーと名付けられたこのビルの中で、SL + Aはトロピカーナ・コーポレーション社から、10万平方フィート相当のスペースを、落ち着きと高級感を備えたオフィスに作り変えるよう依頼されました。そのような意図から、デザイナーは、シンプルで美しいと言われながら、壁に囲まれた空間によって瞑想を助長する禅の庭からインスピレーションを受けることにしました。そのため、各階や各部屋には、石、白砂利、水、竹、葉などのモチーフを繰り返し採用しています。このメインギャラリーには、禅の庭のさまざまな側面を象徴する、印象的な特徴がたくさんあります。
石を表すグレーの壁、水と竹をそれぞれ象徴する鏡や木など、この部屋には意図的でないデザインは一つもありません。
実際、床の異なるグレーとユニークなパターンは、禅庭園の白い砂利に見られる渦巻きと波紋を表現するために、意図的に施されたものです。砂利の模様は海の波を象徴しているのですから、この雰囲気に静寂が漂うのも不思議ではありません。
このような意図的な選択は、このプロジェクトで最も素晴らしい部屋である、頑丈な柱の上に会議室を設けたギャラリーショーケースにも見て取れます。このミーティングルームは、ユリノキの根を模したもので、宙に浮いているような感覚を味わうことができます。
もちろん、ミーティングルームがスタンダードなレイアウトであるように、このプロジェクトは繊細で控えめなデザインであることも忘れてはいません。
それでも、各ミーティングルームの天井に様々なリーフパターンを採用することで、部屋ごとの差別化を図っているのは、設計者のクリエイティビティによるものでしょう。
壮大か地味かを問わず、3年がかりのプロジェクトの最終デザインは、最もシンプルな部屋に神秘性と驚きを与えるという使命において、信じられないほどの成功を収めたのです。”