Slack社のCEOがハイキングや自然を愛することに触発され、スラックはサンフランシスコの新本社に大自然への適応性と冒険心をデザインしました。
Studio O+Aは、カリフォルニア州サンフランシスコにあるスラックの新本社に、自然からインスピレーションを得たデザインコンセプトを導入しました。
スラックがサンフランシスコのマルチフロアの新本社ビルの設計をO+Aに依頼したとき、すぐに一つのデザインストーリーが浮かび上がりました。スラックのCEOであるStewart Butterfieldはアウトドア派で、毎年オフグリッドでパシフィック・クレスト・トレイルを構成する砂漠、山、森など様々なタイプの原野で冒険するハイカーです。このトレイルは、スラックのバンクーバーとサンフランシスコの2つのオフィスをつなぐ架け橋となっており、テーマ的にも非常に豊かな繋がりがあると考えました。O+Aのコンセプトは、これらの風景をフロアごとに再現し、エレベーターを上がるとバハからパシフィック・ノースウエストへのバーチャルな旅に出るというものでした。地形や植物の多様な文脈を示唆するだけでなく、大自然のトレイルを歩くことと仕事との間の体験的なつながりを捉えることができるようにしたのです。
仕事の毎日が新しい道の始まり
スラックのチームは、各フロアに自然の多様性と不規則性を反映させることに価値を見いだしました。山道で他のハイカーと相談しながら道を探すように、仕事場では毎日、他の人と協力しながら次のレベルへの道を探す体験ができるのです。スラックの各フロアのユニークな構成は、新しい道を歩むことで得られる精神的な刺激とコミュニティの必要性を反映しています。
ひび割れた土から苔の壁へ
パシフィック・クレスト・トレイルでのアウトドア体験を室内で再現するために、O+Aは風景の変化を暗示するような仕上げやパレットを次々と選びました。各フロアは、その自然の特徴からインスピレーションを受け、外観や質感を変えています。例えば、2階のアースカラーとサボテンはバハの砂漠を、5階のライブラリー「クワイエット・プリーズ」は山間の湖の静けさをイメージしています。このモチーフは、原生林、渓流、火山、氷河など、さまざまな大自然のモチーフとして10フロアに渡って展開されています。各フロアのカンファレンスルームのウォールグラフィックには、スラックの社員アダム・トーレスの大自然の写真を使用し、ルームネームには大自然の空、小道、生き物をモチーフにしたものを使用しています。
角を曲がると……あっ!?
O+Aのデザインコンセプトの中心は、すべてのワークプロジェクトは、大自然の中でのハイキングのように、発見のプロセスであるという考えです。クラシックなインテリアデザインは、多くの人の視線を集めるために、大きな建築的瞬間としてフレームに収められています。角を曲がると、タホ湖の地形を再現した、空間に浮かぶようなウォールインスタレーションがあります。小道を進むと、サム・シェパードの舞台セットのような「星降る夜」の部屋があります。ノートパソコンを持ってラウンジに行くと、時間帯によって光がリズムよく変化します。どれも、美しさは努力に対するご褒美であり、デスクから離れることで仕事を最大限に楽しむことができるという考えを補強するものです。
トレイルに終わりはない
ハイカーやキャンパーは、お気に入りのトレイルやキャンプ場が2度と同じ場所にないことを知っています。季節や年とともに変化し、そのたびに新しい楽しみやチャレンジがあります。O+Aのスラックのデザインは、そのような変化への対応力をワークスペースに組み込んでいます。どのフロアも、1回のワークセッションから数カ月に及ぶプロジェクトまで、変化するニーズに対応できるような設備が整っています。自然からインスパイアされたこのセッティングは、その日に起こることを歓迎し、それに応えようと手を差し伸べるようなものなのです。