農薬メーカーのNarmada BioChem社は、インドのアーメダバードにある新しいオフィスの設計を建築事務所Openideasに依頼しました。
設計意図は、オープンなプランニングとシンプルな構成によって形式化され、この試みは、570平方メートルの狭い敷地で要件を満たすための合理的で最適なスペースプランニングの練習となったのです。建築家は、モダニズム建築の構図を再考し、ディテールにこだわったクリーンな建築環境を実現しました。
また、農業に関わる企業であることから、生々しく、大地に近い、根を張ったような素材感のあるものをと考え、コンクリートが選択されました。そして、その軽さと透明性、そしてコンクリートの堅固さとのバランスから、ガラスがパートナーとして選ばれました。ファサードでは金属が3番目のパートナーですが、インテリアでは自然石、木、金属が使われています。ガラスを多用し、機械式のローラーブラインドで遮光しながら、日光を常に空間体験の不可欠な要素としています。
常に「シンプルで実用的、かつ美的な美しさ」を保ち、建築物の形状はシンプルでクリーンなラインでありながら、決定的に向上心のあるグローバルなものであることがわかりました。このデザインの方向性の背景には、この分野の技術的、生物学的進歩(有機農業、温室、点滴灌漑、交配など)があり、それが建物にも具現化され得るということがあります。安藤忠雄の作品は、デザインの旅を通して常にインスピレーションを与えてくれました。彼の物質性(特にコンクリート)に対する理解や、シンプルな箱を力強く、同時に詩的にする能力から学ぶことができたのです。