テクノロジー企業のUberは、カリフォルニア州サンフランシスコにある新しいオフィスの設計を、建築・インテリアデザイン事務所のHuntsman Architectural Group(以下ハンツマン)に依頼しました。
4棟で構成されるキャンパスのうち、3棟と4棟は11階建てのタワー2棟で構成され、総床面積は584,000sqになりました。ハンツマンのデザインは、Uberのワークプレイスのビジョンを中心に据えたものです。コラボレーションのための場所と、じっくりと仕事をするための静かな場所という対比を重視しました。ハンツマンのデザインアプローチは、場所の感覚とウェルビーイングの体験を伝えるものです。
建物のロビーに見られるコミュニティとアイデンティティを表すところから始まり、ハンツマンはUberのブランド、ユーザー体験がどのようなものであるかを表現しました。床から天井までのカーテンウォールの建物ロビーは、広いコミュニティ、屋外プラザ、にぎやかなサードストリートと視覚的につながり、一体化しています。他のパブリックスペースも屋外の景観を中心にデザインされ、ミッション・ベイのユニークな特徴を縁取るように設計されています。パノラマビューが楽しめる景観の良いルーフテラスは、仕事、フィットネス、イベントのための共同スペースとなり、従業員とミッションベイのダイナミックでユニークな地域とのつながりをさらに深めています。ハンツマンは、ユーザーが仕事、人とのつながり、休息をとる事を選択できるような機会を設けたのです。
キャンパス内の多様なスペースは、ユニークな従業員のニーズに対応しています。物理的な障壁やサイロを排除してデザインされたワークプレイスでは、屋外やフロア間の視界を遮るもののない透明で一体感のあるスペースが提供されています。オープンデスクはトレーニング、会議、電話など様々な用途に対応し、個性的な空間を創り出しています。個人の自律性と選択性を反映し、一人で作業するための直感的なトランジショナルスペースと、少人数のコラボレーションを行うための補助的なスペースをデザインしています。Chase Centerのプラザに面した2階建てのコミュニティ・スタジアムは、大人数の集会や社交場として利用されています。快適な観覧席と最先端のプログラム可能なバックライトつき天井は、一日を通して色が変化し、ダイナミックでエネルギッシュな環境を創り出しています。
従業員のウェルビーイングを促進し、利用者の体験を向上させるため、両ビルはLEED v4ゴールドおよびWELL認証を取得しました。持続可能性と従業員のウェルネスに焦点を当てた設計は、キャンパスのエコシステムの基礎となっています。ハンツマンは、スラブ開口部と相互接続階段を戦略的に配置し、フロア間の活動、コネクション、および相互作用を活発にさせました。採光、屋外への眺望、生物親和的な介入は、ユーザーが1日中ウェルビーイングを感じるよう、各階に均等に配置されています。静かな部屋、ケアルーム、ウェルネススイート、2フロアにわたるフルサービスのカフェ、スタッフ常駐のバリスタコーヒーバーとスムージーバー、イベントラウンジ、スナックルーム、ポップアップフードスペース、ライブラリーなどのアメニティスペースは、従業員にリフレッシュ、セルフケアのためのさまざまな場所を提供しています。
自宅が職場の一部となりつつある中、イノベーション、文化、コミュニティ形成を促進し、人々を引きつけ、多くのワークモードとアメニティを提供する人間中心のキャンパス環境において、バランスを実現することができるのです。