設備から選ぶ
オフィスツアー動画に、いちばんよく映っている設備は何か
求人票には「働きやすい環境」としか書いてありません。では、会社が自分でオフィスを紹介するとき、何を見せているのか。数えたら1位はカフェ・ラウンジで27社でした。社員食堂は9社です。この順番には意味があります。
設備ごとの会社数
| 設備 | 会社数 | この設備が答える質問 |
|---|---|---|
| カフェ・ラウンジ | 27社 | ひと息つける場所はあるか |
| フリーアドレス | 22社 | 席は決まっているのか |
| ジム・仮眠・リフレッシュ | 21社 | 休める場所はあるか |
| 集中ブース・個室 | 14社 | ひとりで集中できるか |
| 社員食堂 | 9社 | お昼はどうしているのか |
| 緑・テラス | 9社 | 外の空気を吸えるか |
| 眺望・高層階 | 9社 | 窓からの景色はどうか |
| ファミレス席 | 7社 | 雑談や打合せの席はあるか |
| 撮影・配信スタジオ | 6社 | 発信の設備はあるか |
| 自販機・オフィスコンビニ | 4社 | 飲み物や軽食は買えるか |
| イベントスペース・バー | 4社 | 人が集まる場所はあるか |
| ライブラリ・書棚 | 2社 | 本はあるか |
| ゲーム・音楽・運動 | 1社 | 遊べる設備はあるか |
1位がカフェで、社員食堂が5位である理由
カフェ・ラウンジ27社に対して、社員食堂は9社。3倍の差があります。 これは「食堂のある会社が少ない」というより、作るのが簡単なほうから増えていると考えるほうが近いと思います。
社員食堂は、厨房の設備も、調理する人も、毎日の食材も必要です。ある程度の人数がいないと成り立ちません。 いっぽうカフェ・ラウンジは、机とイスとコーヒーマシンがあれば作れます。 だから「カフェがある」は、会社の規模とはあまり関係がありません。 逆に「社員食堂がある」は、それなりの人数がいる証拠になります。求人票を読むときの手がかりとして使えます。
フリーアドレスは、いいことばかりではありません
2位のフリーアドレス(22社)は、席が決まっていない働き方のことです。 募集要項では「自由な働き方」として紹介されることが多いのですが、実際には向き不向きがあります。
- 自分の荷物を置きっぱなしにできません。毎日ロッカーから出して、帰りにしまいます。
- 誰がどこにいるか探すことになります。座席表アプリを入れている会社が多いです。
- 同じチームが近くに座れるとは限りません。
だからこそ、フリーアドレスの会社は動画で見る価値が高いです。 ロッカーの大きさ、モニターが各席にあるか、席の間隔。文字では伝わらないところが、動画には映っています。 フリーアドレスの22社を続けて見ると、同じ言葉でも会社によって中身がかなり違うことが分かります。
集中ブースは、静かに増えています
4位の集中ブース・個室が14社。これはフリーアドレスの裏返しです。 席を自由にすると、ひとりで集中したいときに逃げ場がなくなる。その対策として、電話ボックスのような個室が置かれます。
オンライン会議が増えたことも理由のひとつです。フリーアドレスのフロアで通話するわけにはいきません。 フリーアドレスの会社を見るときは、同時に集中ブースがあるかも確かめてください。 片方だけの会社は、働きにくい可能性があります。
数の少ない設備は、その会社の性格が出ます
撮影・配信スタジオ6社、イベントスペース・バー4社、ライブラリ2社、ゲーム・音楽・運動1社。 ここまで少ないと、平均を語る意味はありません。むしろ「その会社が何にお金を使ったか」がはっきり出ます。
スタジオを作った会社は、社外への発信を仕事の一部だと考えています。 イベントスペースを作った会社は、人が集まることに価値を置いています。 設備は、その会社が何を大事にしているかの答え合わせになります。
使い方
- ゆずれない条件を1つだけ決めて、そこから探す。 「昼ごはんを社内で済ませたい」なら社員食堂の9社。 「静かな場所がないと困る」なら集中ブースの14社。 全部を満たす会社を探すより、1つに絞ったほうが早く決まります。
- 設備がないことを、減点にしない。 上に書いたとおり、これは「言葉として書かれていた設備」の数です。 映っているのに数えられていない会社がたくさんあります。この一覧に出てこない=設備がない、ではありません。
- 面接で聞く材料にする。 「動画で拝見した集中ブースは、今も使われていますか」は、調べてきたことが伝わる質問です。 設備は変わることがあるので、確かめる意味もあります。
設備の一覧は設備で選ぶから。 ほかの集計は、動画375本の長さ、 業種ごとの本数と長さ、 同じビルに2社入っている場所にまとめています。